友達の文也はパチスロが大好き。 「数時間で10万勝ったぜ」 と僕にファンフーレのような電話をくれて、 安居酒屋でお酒を奢ってくれる。 飲むビールは僕にとっては雨を待ってた草木が欲する水分で、 文也にとっては寝汗のようなものだ。 「気にすんな」 文也はいつも言う。 でも彼はその翌日に10万掏ったりする。 お金のない僕は申し訳ない程度に文也の煙草を買う。 彼はコンビニの前で煙をくゆらせながら 「うめぇー」と言う。 文也の笑顔はとても数百